質問<3711>2008年4月27日
from=サル
「整数問題」


n次方程式の整数解について
a1、a2、・・anが整数のとき、x^n+a1x^(n-1)+・・・+a(n-1)x+an=0
が有理数の解を持つ時、その解が整数である事を証明せよ。
(背理法を用いると思うんですが・・)

★希望★完全解答★

お便り2008/4/28
from=平 昭


 こんにちは。「√2が無理数であることの証明」というのは習いましたか?
 この証明を知っていると、質問された問題<3711>も解答の方針が立つと思います。
以下に示す解答を見る前に、もう一度自力で考えてみませんか。

 では解答です。

 題意の方程式が整数でない有理数の解を持つと仮定し、その解αをα=q/p と置く。
ここで、p、qは整数で互いに素であり、かつpは2以上の自然数とする。
すべての有理数は既約分数で表せるから、これで一般性を失わない。

 さて、与えられた方程式にαを代入して通分すれば
(1/p^n){q^n+a_1・pq^(n-1)+………+a_(n-1)・qp^(n-1)+a_n・p^n}=0
となる。ここで、{ }内の第2項以降をpでくくって書き直せば、
A=a_1・q^(n-1)+………+a_(n-1)・qp^(n-2)+a_n・p^(n-1)として
 q^n+pA=0………★ と書ける。
 ここでp、q、a_1、………、a_nはすべて整数であるからAも整数である。
だから★は、q^nがpの倍数であることを意味する。
これはp、qが既約でかつpが2以上の自然数とした仮定に矛盾する。

 よって、整数でない有理数解は存在しない。
つまり、もし有理数解が存在するならば、それは整数である。
(証明終わり)