質問<3844>2013/1/26
from=dyq
「集合」


座標平面上の集合Mを
  M={(x,y)|x,yは整数で、3x+yは8の倍数である}と定める
平行四辺形ABCDの頂点A,B,C,DはすべてMに属する。この平行四辺形をQとし、その面積をSとする
(1)Sは8の倍数であることを示せ
(2)S=8のとき、Qの内部及び周上の点で、Mに属するのは4頂点A,B,C,Dに限ることを示せ
お願いします

★希望★完全解答★

お便り2013/2/24
from=平 昭


 こんばんは。(1)は座標計算に持ち込めば比較的やさしい問題かと思います。
(2)は、背理法で証明すればよい、と思いつくまでしばらくかかりました。
証明の文章はちょっとくどいかもしれません。

(1)
Mの要素(x,y)は、m,kをそれぞれ整数として
 (x,y)=(m、-3m+8k)と書ける。
 原点(0、0)もMの要素であり、頂点Aは原点と仮定して一般性を失わない。
 ここで、nとjも整数として、
頂点Bを(m、-3m+8k)、Dを(n、-3n+8j)と置くと、

S=|m(-3n+8j)-n(-3m+8k)|
 =8|mj-nk|となる。

(ベクトルの外積を知っていれば、|ベクトルAB×ベクトルAD|  が面積に
なるので簡単に証明できます。知らなくても図を描いて地道に計算すれば導けます。)
 m,j,n,k は全て整数なので、|mj-nk|も整数。よってSは8の倍数である。

(2)
Qの内部及び周上の点で、A,B,C,Dのいずれとも異なり、かつ、Mに属する点が存在した
と仮定し、その点をPとする。
 まず、Pが△ABDの内部または辺AD上に存在したとして、矛盾が生じることを示す。
 APとABを2辺とする平行四辺形Tを考え、Tの面積をtとする。
 この時
 0<t<S=8、、、、(i) が成り立つ。

(図を描いてみれば分かるが、ABをQ、Tに共通した底辺とみると、
Tの高さは明らかにQの高さ未満である。)
 一方、p、b、k,jを整数として、P(p,-3p+8k) B(b,-3b+8j)と置くと、
A、P、B以外のTの頂点Xは、X(p+b, -3(p+b)+8(k+j))と書ける。
これよりXは明らかにMの要素である。
 だから(1)より
 tは8の倍数である。。、、、(zA)

 8より小さく0より大きい8の倍数はないから、(i)と(zA)は矛盾している。
よってPは△ABDの内部または辺AB上には存在し得ない。
 また、Pが辺AB上に存在したとしても、APとADを2辺とする平行四辺形を考えれば
同様の議論が成り立つ。よってPはAB上にも存在し得ない。
 つまり、Pは△ABDの内部または周上には存在し得ない。

 さらに、Pが△CBDの内部または周上に存在した場合を考えると、CBとCP、または
CDとCPを2辺とする平行四辺形について同様の議論が成立し、やはり矛盾が生じる。
このためPは、△CBDの内部または周上にも存在し得ない。

 最後に、Qの内部及び周上の点は、△ABDの内部または周上にあるか、△CBDの内部
または周上にあるかのどちらかである。

 これで、Qの内部及び周上に、A,B,C,D以外にMに属する点は存在しないことが証明できた。