質問<412>2001/2/28
from=大学生
「集合列と可測単関数列」


問1
集合列{A(n)}に対して、次の定義関数の等式を示すのですが、
        ___            ___
      (1)limX(x,A(n))=X(x,limA(n))  (n→∞)

      左辺=1と0の場合に分けるのでしょうが、どうやってもうまく行きません。
      できれば、詳しく教えてください。申し訳ありません。

問2
区間[0、1]上の関数f(x)=√xに対して、ほとんどいたるところで
      f(x)に単調増加に各点収束する可測単関数列{Fn(x)}を求めよ。
      という問題なのですが、私の解答は次の通りです。
       
         [0、1]=Eとする。
        Fn(x)=2のn乗分のk-1(分かりにくてすいません)
         このように置くと、Fn(x)は単調増加で
         fが可測なことからE(Fn=2のn乗分のK-1)∈Β・・・Ⅰ
         よってFnは可測である。・・・Ⅱ
      この解答において、ⅠとⅡの間に説明が足りないと言われました。
      何が足りないのでしょうか?教えてください。


お返事2001/2/28
from=武田


大学の数学なので、ちょっと分かりません。
誰かアドバイス下さい。
※未解決問題に移したところ、星野さんからアドバイスをいただきました。
感謝!!


お便り2001/9/8
from=星野敏司


これは手持ちの
Paul Halmos: Measure Theory p.19 の (11)
に証明抜きで言及されており,
伊藤清三: ルベーグ積分入門 p. 11
には「... なることは容易に験証される。」
と出ているものですね。
きっと簡単なんでしょう (笑)。

χ(x, A(n)) は 0 と 1 しか取りませんから各々調べましょう。

lim sup χ(x, A(n)) = 1 と仮定すると, それは無限部分列 {ν_n} で
χ(x, A(ν_n)) = 1 なるものがあることを意味します。
即ち x ∈A(ν_n) ですね。
{ν_n} は無限列ですから当然幾らでも大きい数があります。
右辺の lim sup A(n) = ∩_(n=1)^∞∪_(i=n)^∞ A(i) です。
上に述べたことから幾らでも大きい i で
 x ∈A(i)
となるものがあります。即ち n によらず
x ∈∪_(i=n)^∞ A(i)
が成立します。ですから
x ∈ lim sup A(n) = ∩_(n=1)^∞∪_(i=n)^∞ A(i).
即ち χ(x, lim sup A(n)) = 1.

次に
lim sup χ(x, A(n)) = 0
と仮定すると, これはある番号 N 以上
χ(x, A(n)) = 0
と同じことで, つまり
n ≧ N⇒¬x ∈A(n) (x は A(n) の要素ではない)
ということを意味しています。
すると
n ≧ N ⇒¬x ∈∪_(i=n)^∞ A(i)
なのですから当然
¬x ∈lim sup A(n) = ∩_(n=1)^∞∪_(i=n)^∞ A(i).
即ち
χ(x, lim sup A(n)) = 0
となるわけです。