質問<484>2001/5/22
from=資格試験受験生
「曲線の凸性」


武田先生失礼致します。ミクロ経済学で無差別曲線というのがあり、こ
の曲線は、第一象限での反比例の曲線と同じく、原点に向かって凸なの
ですが、この凸性の数学的説明で、次のようなものがあります。これが
どういうことを意味しているのか分からないのですが、これはどのよう
なことを意味してるのでしょうか?選好関係というのを使っているよう
で、選好関係の記号の「~」というのは「=」と同じような意味で、
「>」がグニャグニャしたようなものは「>」と同じような意味とあり、
以下の式で凸性を説明しています。

任意のxとx~yであるyを選ぶと0と1の間の任意の実数λに関して、
λx+(1-λ)y>x

*この式の「>」も、選好関係の記号の「>」がグニャグニャした感じ
になっています。


お返事2001/5/23
from=武田



意味はさっぱりわかりませんが、
λx+(1-λ)yは、直線xy上を(1-λ):λに内分する点Pを
表します。
それが、P>xが何なのか分かりません。
経済の専門家に質問してもらった方が正解ですね(;.;)


お便り2001/5/24
from=資格試験受験生


武田先生、御忙しい中ありがとうございました。武田先生のご解説から
理解することができました。

 ご参考までに申し上げますと、経済学的には以下のような意味のようです。
x軸に、ある物の消費量を取り、y軸に、別のある物の消費量をとります。
このとき、第一象限での反比例の曲線と同じ形状であります、原点に凸型の
曲線である「無差別曲線」という曲線上の(x、y)の組み合わせは、どれ
も同じ満足度を与える組み合わせだと仮定します。「無差別」とは、どちら
でもよいという意味です。
 さらに、この「無差別曲線」が、原点から離れていればいる程、高い満足
度を与えると仮定します。厳密には、x-y-z座標と3次元にして、z軸
に満足度をとって、同一のzになる(x、y)の組み合わせを、x-y平面
に投影したものが無差別曲線のようですが、通常は上記の定義で考えるよう
です。
 これを武田先生が教えてくださった図で申しますと、x点とy点は同一の
無差別曲線上にあるため、このx点とy点は、どちらも同じ満足度を与える
消費量なのですが、内分点Pは、x点とy点が属する無差別曲線よりも、原
点から離れた無差別曲線に属することになるので、内分点Pは、x点とy点
より満足度が高い点だということになります。
 よって、P>xというのは、x点での消費量よりも、P点での消費量の方
が満足度が高いことを表していまして、
 このことから、P>xならば、無差別曲線が原点に凸型だという説明にな
るのだと思います。有難うございました!