質問<61>98/10/1
from=鈴木貴志
「2週間後に中間テストが」


恒等式や2次不等式を始め授業を聞いても、参考書を読んでも
、武田さんに教えてもらっても、分からないのですが、こう
いう場合は諦めるしかないのでしょうか。どうしたらいいん
でしょうか。


お返事98/10/2
from=武田


テストを控えているので、今言えることは、教科書の例題を
全部ノートに5回書いてみて下さい。一寸は違いますよ。
(これはテスト前に家庭謹慎に入った生徒に課題としてやら
せているのですが、テストの結果が平常より数%向上するよ
うです。)
テストが終わって時間がとれたら、数学読み物の本を是非読
んで下さい。
例えば、
1.三省堂のバイパスシリーズ
    10数年前に出版され、時間がたっているので
    学校の図書館にあるかもしれません。
    高校の内容が数冊に分かれて詳しく面白く書い
    てあります。
    今年の10月末頃に、新バイパスシリーズが出
    版される予定だそうです。
2.国土社のワンダーランドシリーズ
    中学校で習う基礎的な内容が物語風に面白く書
    かれています。
    基礎を再学習したい人には役に立つと思います。
3.日本実業出版社・江藤邦彦「算数数学の素朴な疑問」
    本当に素朴な疑問を丁寧に書いてあります。数学
    が好きだけど点数が取れない人は、素朴なところ
    で引っかかっているものです。意外とヒントにな
    るかもしれません。


お便り98/10/3
from=yuki


数学に限らないことですけれど、どんなことでも1ステップ
ずつ100点をとるように地道に努力すれば、全部クリアできる
ようになります。

これは限られている時間の中で多くの勉強をしなければなら
ないという立場の中~高校生にはなかなか実感できないよう
で、焦りが悪循環を生み出してしまう場合があります。

1ステップずつ100点をとるという意味を説明するのは難しい
ですが、例えば私の場合、恒等式ならそもそも恒等式って何
のこと?多項式とはどう違うの?関数の式とはどう違うの?
どうして恒等式っていうんだろう…?とわからないところを
自問自答してみることから始めます。

新しいことを覚えるのに、まずネックになるのは「わけのわ
からないの用語」です。国語的に考えてみたり、数式とにら
みながら意味を考えてみたり、色々な方面からその「用語」
を浸透させます。恒等式なら、「恒(つね)に等しい式」の
ことなんだな、ということから始まり、「両辺が同じである
なら、左辺を右辺に式変形したり、右辺を左辺に式変形でき
る」のだな、と推測します。

そうして「恒等式」という言葉を確認してから、やさしい問
題をたくさん解きます。難しい問題ではなく、易しい問題を
数多くこなすことで、少し自信が出てきます。そうして、次
のレベルの問題にとりかかります。そのときに少し難しいと
感じるかもしれませんが、1問1問を分析します。この場合
は、どうやって式を変形するか、2乗してみたり、同じ数を
足して引いてみたり、とある共通の“技”のようなものが見
えてくるはずです。

そうやって少しずつテスト問題とか入学試験の問題のレベル
にあげていけば、どんな教科でも必ず身に付くと思います。

最後に、自分はできないのだと諦めるよりも、今回のテスト
で成果が出るか出ないかは別としても、「“今からスタート”
するんだから、1つでもわかればいいじゃないか」と気軽に
思うことです。

テスト範囲を全部対策できなくても、勉強したところだけ、
しっかりできるように頑張って、自分の中で「やったところ
はできたぞ」と思えるようになればいいのではないでしょう
か。より“手広く”勉強しようと思うのではなく、基礎が
“根付く”ような勉強をしようと思って頑張ってみて下さい。