質問<844>2002/5/19
from=みっちー
「通過範囲」


2次関数f(x)=x2乗上に2点P(a、f(a))、Q(a+2、f(a+2))
をとる。aが―1以上の任意の実数をとるとき、線分の通過範囲を求めよ。
この問題がよくわかりません。特に通過範囲を求めよってところです。
教えてください、よろしくお願いします。
できれば火曜日までがいいんですけど。


お便り2002/5/20
from=CharlieBrown


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※5/23にメールを開いたときにこのお便りを発見。掲載が
遅くなってごめんなさい。(×_×;)武田
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[考え方]
a=0の時を例に考えます。
このとき、P(0,0)、Q(2,4)ですから、
線分PQの方程式は、
y=2x ・・・(1)
かつ 放物線y=x^2の内側、
となります。
放物線の内側の点(1/2,1)は(1)式を満たしますので、
線分PQ上にあると言えます。

逆に、aの値が定まってないとき、
点(1/2,1)が線分PQ上にあるのかどうかを判定するには、
次のようにすればよいでしょう。
P(a,a^2),Q((a+2),(a+2)^2)より、
線分PQの方程式は、
  (a+2)^2-a^2 
y=―――――――――――(x-a)+a^2
    (a+2)-a
 =2(a+1)x-a^2-2a ・・・(2)
かつ 放物線y=x^2の内側、
となります。
点(1/2,1)がPQ上なら(2)式を満たすはずです。
よって、(1/2,1)を代入すると、
1=2(a+1)・1/2-a^2-2a
整理して、
a^2+a=0 ・・・(3)
a(a+1)=0
∴a=0,-1
と求まります。
a=-1のときも線分PQが点(1/2,1)を通ることがわかります。

以上から、もし一般の点(X,Y)が線分PQ上にあるなら、
そのときのaの値は上のように方程式を解くことでわかりますが、
その解は与えられた条件a≧-1を満たすはずです。
また、放物線の内側であることを式で表すと、
領域の概念を用いて、
y≧x^2
と表せます。

[解答]
線分PQの方程式(2)に点(X,Y)を代入して整理すると、
a^2-2(X-1)a+(Y-2X)=0 ・・・(4)
かつ Y≧X^2 ・・・(5)
となります。
点(X,Y)が線分PQ上ならば、
2次方程式(4)はa≧-1に実数解を持つはずです。
これは2次方程式の解の配置の問題です。
(4)がa≧-1に実数解を持つ条件は、
(4)の左辺をf(a)とおくと、
D/4≧0,X-1≧0,f(-1)≧0 ・・・(6)
または、
f(-1)<0 ・・・(7)
です。
(6)を解くと、
Y≦x^2+1,X≧0,Y≧1 ・・・(8)
(7)を解くと、
Y≦1 ・・・(9)
となるので、
{(8)または(9)}かつ(5)
が答えになります。
図示してみるとわかりやすいでしょう。
解の配置については数Ⅰの参考書を見てください。