質問<977>2002/10/6
from=marimo
「微分と速度と加速度の関係」


なぜ関数を微分すると速度になるのかが理解できません。
さらに、物理を取っていないので、
速度と加速度の違いもよく分かりません。
教えて下さい。


お便り2002/10/18
from=toshi


まず、速度とは何かを適当に定義しましょう。
質点は直線上を動くとします(直線上でなくてもいいのですが、
簡略化の為)
質点が単位時間dtあたりにdx動いたとします。
この時、dx/dtを速度と呼びます。
例えば、dtとして基準時間からの2秒~5秒の3秒間を取るとします。
この時に質点が6m進んだとすれば、速度は6/3=2(m/s)
これを2秒~5秒の平均速度と言います。
まさに3秒の時点での速度を求めようと思うと
3~3+εの平均の速度を求めε→0とすれば、まさに3秒の時点での
速度になります。これが瞬間の速度です。
こんどは一般の時刻tでの瞬間の速度を求めようと思うと、時刻t
での質点の位置をr(t)と表記すれば
数式はlim(ε→0){r(t+ε)-r(t)}/t+ε-t =dr(t)/dt
これはまさに微分の定義になります。
よって位置関数を微分すると速度になります。

速度の定義は終わりました。
ここで位置関数を微分した結果が定数だったとします。
dr(t)/dt=a,両辺積分により、r(t)=at+bを得ます。
これは速度が一定値(=a)の時、位置関数はat+bで得られることが
分かります。

ここで、微分結果がtに因っているとします。(加速度とする為に
一次(at+b)とします)
dr(t)/dt=at+bここで、dr(t)/dt=v(t)とおくと
v(t)=at+b。これは速度関数がat+bとなっているので、速度の速度
(速度がどういう速さで増えていくか)が一定値(=a)を取っている
事が分かります。
これを加速度(速度が加算されていく度合い)と定義します。