質問<1596>2004/2/19
from=乾
「最小値」


x^2+2.6y^2-4x-6.6y+2.7xy+4.9
を最小にするx,y の値(0≦x≦1, 0≦y≦1)。


お返事2004/2/25
from=武田


多変数関数の極値を求める考え方をする。
f(x,y)=x^2+2.6y^2-4x-6.6y+2.7xy+4.9
次の偏微分をして、
fx=2x-4+2.7y
fy=5.2y-6.6+2.7x
fxx=2
fxy=2.7fyy=5.2
fxx=A、fxy=B、fyy=Cとすると、
Δ=A・C-B^2
 =2・5.2-2.7^2
 =10.4-7.29
 =3.11>0
Δ>0より、極値が存在する。(Δ<0のときは、極値なし)
A=2>0より、極小値(A<0のときは、極大値)
範囲(0≦x≦1, 0≦y≦1)内で、ΔもAもプラス。
(∵ΔもAもx、yがないので、明らか。)
最小となる点(x,y)は、極小値の点となるから、
fx=2x-4+2.7y=0
fy=5.2y-6.6+2.7x=0
連立を解いて、
  298    240
x=――― 、y=――― ………(答)
  311    311


お便り2004/3/13
from=naoya


高校数学の範囲で解いてみました。
1変数を固定して、独立2変数関数を1変数関数として考えると、
二次関数の最小問題に帰着します。

与式の小数を分数に直し、
f(x,y)=x^2 + (13/5)y^2 - 4x - (33/5)y + (27/10)xy + 49/10  とおく。

yを0≦y≦1の範囲内で固定し、f(x,y)をxについての関数g(x)と見なす。
g(x)を整理すると、
g(x)={x - (2 - 27y/20)}^2 + (311/400)y^2 - (6/5)x + 9/10
0≦x≦1の範囲でg(x)が最小値をとるxの値を考える。

1)2-(27/20)y<0のとき、つまり40/27<yのとき
    0≦y≦1を満たさないので不適
2)0≦2-(27/20)y<1のとき、つまり20/27<y≦40/27のとき
    0≦y≦1より20/27<y≦1…①
    このとき、x=2-(27/20)yでg(x)は最小
3)1≦2-(27/20)yのとき、つまりy≦20/27のとき
    0≦y≦1より0≦y≦20/27…②
    このとき、x=1でg(x)は最小

上記のことについて、yの固定を払い、①・②それぞれの範囲で動かした時、
h(y)=(311/400)y^2 - (6/5)x + 9/10を最小にするyと最小値を求める
①のとき
    h(y)=(311/400)(y - 240/311)^2 + 1359/3110
    より、y=240/311のときh(y)は最小値1359/3110をとる。
    このときx=2-(27/20)(240/311)=298/311なので、
    f(x,y)=1359/3110

②のとき
    h(y)が最小になるのはy=20/27のときで、最小値3191/7290
    このときx=1より、f(x,y)=3191/7290

ここで、1359/3110<3191/7290より、①の時の(x,y)でf(x,y)は最小値をとる。

以上のことより、x=298/311, y=240/311のときにf(x,y)が最小値1359/3110をとる。

∴(x,y)=(298/311,240/311)  …(答)


お便り2006/3/7
from=乾 幸二


高校数学の窓
武田様、naoya様

質問<1596>乾「最小値」

x^2+2.6y^2-4x-6.6y+2.7xy+4.9 を最小にするx,y の値(0≦x≦1, 0≦y≦1)。

で、ご指導頂きました。
周囲にアドバイスできる者が皆無だったので非常に助かりました。
この数式を用いた小生の学術論文がpublishされましたので、
報告させて頂きます。 
ヒトで記録した脳磁図(神経活動の際に発生する微弱な磁場)のデータ解析に
どうしてもこの式が必要だったのです。膨大なデータで、上記と同様の式をのべ 
10000回くらい計算しました。といっても半分くらいはエクセルのマクロで
やらせましたが。
教師業の傍らこのような立派なサイトを運営しておられ、感服致します。
ありがとうございました。論文を添付しておきますが、全く意味不明だと思います。

自然科学研究機構 
生理学研究所 
感覚運動調節研究部門
乾 幸二

※ご厚意で、学術論文が添付されていましたので、掲載させて頂きます。
 →ここをクリック