質問<3024>2006/3/12
from=貴雄
「証明」


(1)
4数から成るしゅうごうBが乗法・除法に関して閉じていれば
{1、-1、ⅰ、-ⅰ}となることを1、b、bの2乗、bの3乗、
bの4乗を用いて証明せよ。
という問題で0は含まない、
B∋1は証明できたのですがbの2乗、bの3乗、bの4乗をという
ところが解りません…

(2)
二次行列の集合
X=|a b|a、b、c、d∈R、ab-cd≠0
 |c d|
 は行列の積について群になることを示せ。
という問題で
①演算に閉じていること
②結合律は実行列より環をみたすから存在する。
③単位元|10|が存在する
    |01|
④逆行列がab-cd≠0となることから存在する。
というとこまでわかるのですが証明ができないです。

本当に申し訳ないのですが教えてください。御願いします 

★希望★完全解答★

お便り2006/4/16
from=BossF


(1)まずb∈Bなるbが存在するとBは除法に関して閉じているから b/b=1∈B 

さて、b∈B ∧ |b|≠1,0 とすると

|b|,|b^2|,|b^3|,|b^4|,|b^5|…は全て異なるから
b,b^2,b^3,b^4,b^5…は全て異なり、これは矛盾

よって、b∈Bならば、|b|=1,0
ところが、0は含まないから|b|=1 …①

さて、b∈B、0<arg(b)<π/2 とすると
0<arg(b)<arg(b^2)<arg(b^3)<arg(b^4)<2π
だから、1とあわせて、最低5つの元を持つから矛盾

同様に b∈B、π/2<arg(b)<π 
    b∈B、π<arg(b)<3π/2
    b∈B、3π/2<arg(b)<2π 
の時も矛盾を示せるから
            arg(b)=kπ/2 (k;整数)…②
①②より B={±1、±i}

なんかもっと綺麗な証明ができそうなんですがすみません(^^;;


(2)Wikipediaの群論によりますと、

「群(通常の定義)
積(二項演算、二項算法) a × b が定義された空でない集合 G が以下の 3 つの条件

積 × に関する結合法則が成立する; 
(a × b)× c = a ×(b × c) (for all a, b, c ∈ G)。 

単位元 e が存在する; a × e = e × a = a (for all a ∈ G) 
G の任意の元 a に対しその逆元 a-1 が存在する; a × a-1 = a-1 × a = e。 
を満たすならば、G は群であるまたは G は(演算 × に関して)群を成すという。
ここで、「二項演算が定義されている」というのは

任意の積 a × b は G の中に存在する; a × b ∈ G (for all a, b ∈ G)。 
という条件を意味するものである。 また、演算の記号 × は普通省略されて a×b は
単に ab と書かれる。」

すると、もう証明は終わってるのでは?


お便り2006/4/17
from=BossF


何度も質問がきているようなので、ミスがないように丁寧にやります(=^・^=)

[解]
4数からなる集合Bが乗法と除法に関して閉じてる…①
まずBは①により0を元に持たないことに注意する

∀a∈Bに対しa/a=1だから、①より1∈B

さて1以外のBの元の一つをbとおくと

①より{1,b,b^2,b^3,b^4}⊆Bだから、

1,b,b^2,b^3,b^4の少なくとも一つは一致する
ここで、b≠1よりb≠b^2,b^2≠b^3,b^3≠b^4に注意すると
1=b^2,1=b^3,1=b^4,b=b^3,b=b^4,b^2=b^4
i.e.
1=b^2,1=b^3,1=b^4

(i)b^2=1のとき
 b≠1だからb=-1
 ∴c∈B ∧c≠±1…② なるcが存在
 すると(-1)・c=-c∈Bで,c≠±1より-c≠±1だから
 ±1,±c は異なる4数
 よって①よりc^2=±1,±c これと②よりc=±i
  i.e. B={±1,±i}が必要

(ii)b^3=1
   b≠1だからb=ω (x^3=1の虚根の一つをωとすると他方はω^2で、
 それらは互いに共役であることは既知とします)
  明らかにω^2∈B なので
 c∈B ∧c≠1,ω,ω^2…②なるcが存在せねばならない
  するとcω=1,ω,ω^2,c(≠0)
  すなわち c=ω^2,1,ω またはω=1
  これは矛盾 よってb^3=1の時①は成立しない

(iii)b^4=1のとき
  b=-1,±i
    b=-1なら(i)で示したごとく残りは±i
  b=iなら b^2=-1 と残りは -i
    b=-iなら b^2=-1 と残りは i
   いずれにせよB={±1,±i}が必要

十分性は明らかなので
以上より
   ①⇔B={±1,±i}