質問<3168>2006/5/14
from=高校生
「漸化式・数列の積の極限」


a_0=0 a_n=√{(a_(n-1)+1)/2}のとき、
lim[n→∞]a_1*a_2*・・・・*a_nを求めよ。

という問題がなかなかできません。
よろしくおねがいします。

★希望★完全解答★

お便り2006/5/16
from=ZELDA


今日、予備校でA(n+1)=sqrt{A(n)+2}の一般項を求められることを習い、解答を思いつき
ました。ところで、ハサミウチの定理を使った解法はないのでしょうか?
私は、ずいぶんハサミウチの定理を用いることを考えたのですが、
積を和に直すために「log」をつけると、きれいな式にならず、「log」をつけた後に、
評価する方法もなかなかうまくきませんでした。

(解答) 
(1)
まず、帰納法により  0≦a(n)≦1・・・(*)を示す。
(Ⅰ) n=0のとき成立する。
(Ⅱ) 0以上のある n に対して (*) が成り立つと仮定すると、
sqrt(1/2)≦sqrt[{a(n)+1}/2]≦1
0≦a(n+1)≦1
(Ⅰ),(Ⅱ)より、 (*)が成り立つ。

(2)
a(n)の一般項を求める。
(*)より、a(n)=cosX(n)  (0≦X(n)≦1)とおける。
このとき、与えられた漸化式は
cosX(n+1)=sqrt[{cosX(n)+1}/2]
         =sqrt[(cos{X(n)/2})^2]
         =cos{X(n)/2}

0≦ X(n+1),X(n)/2 ≦1 であるから、
X(n+1)=X(n)/2,  X(0)=pi/2  (pi=πとおく。)
したがって、a(n)=cos{pi/2^(n+1)}

(3)
ここで、S(n)=a(1)*a(2)*・・・*a(n-1)*a(n)とおく。
S(n)*sin{pi/2^(n+1)}=(1/2)*S(n-1)*sin(pi/2^n)
この漸化式を繰り返し用いて、

S(n)*sin{pi/2^(n+1)}={(1/2)^(n-1)}*S(1)*sin(pi/4)
=(1/2)^n

したがって、
S(n)=[{pi/2^(n+1)}/sin{pi/2^(n+1)}]*(2/pi)

ゆえに、
lim[n→∞] S(n)=2/pi

答えを見ると、偶然 2/pi となっていますが、Wallisの公式と関係があるのでしょうか?
どなたか、教えてください。ただの偶然なんでしょうか? 


お便り2006/5/18
from=高校生


「予備校でA(n+1)=sqrt{A(n)+2}の一般項を求められることを習い」とありますが、
ここでその一般項の求め方を教えてください。
また、

>(解答) 
>(1)
>まず、帰納法により  0≦a(n)≦1・・・(*)を示す。
>途中略  a(n)の一般項を求める。
>(*)より、a(n)=cosX(n)  (0≦X(n)≦1)とおける。
>このとき、与えられた漸化式は
>cosX(n+1)=sqrt[{cosX(n)+1}/2]
         =sqrt[(cos{X(n)/2})^2]
         =cos{X(n)/2}

>0≦ X(n+1),X(n)/2 ≦1 であるから、
>X(n+1)=X(n)/2,  X(0)=pi/2  (pi=πとおく)

とありますが、cosX(n+1)=cos{X(n)/2}と
0≦ X(n+1),X(n)/2 ≦1 
{多分0≦ cos{X(n+1)},cos{X(n)/2} ≦1の誤り?}
から、X(n+1)=X(n)/2とできますか?
X(n+1)=-X(n)/2の場合はどうでしょうか?


お便り2006/5/19
from=ZELDA


申し訳ありませんでした。自分の解答に間違いがありますので
訂正させていただきます。

訂正1
(2)の部分の2行目
(*)より、a(n)=cosX(n)  (0≦X(n)≦1)とおける。
とありますが、正しくは
(0≦X(n)≦pi/2)
です。

訂正2
(2)の部分の7行目
0≦ X(n+1),X(n)/2 ≦1 であるから
とありますが、正しくは
0≦ X(n+1),X(n)/2 ≦pi/2
です。

解答におかしな点、計算ミス等がありましたら、どうぞ、ご指摘ください。


お便り2006/5/20
from=ZELDA


予備校で習ったものを自分なりに少しではありますが、一般化してみました。ただし、
下の解答以外でもルートの中の定数項がなければ簡単に解けます。これは、今回は考え
ないことにします。この解法で解けるのは、下のように非常に厳しい条件がある場合の
みです。(私の推論が間違っている可能性は十分ありますが。)問題のときと同じよう
にやれば解けますので、解答は簡単に書かせていただきます。


A(n+1)=sqrt[(k/2){A(n)+k}] かつ 0 ≦A(1)≦ k
かつ k > 0 のとき


(1) 数学的帰納法により 0 ≦A(n)≦ k が成り立つ。

(2)  (1)より、A(n)=kcos{X(n)}  (0≦X(n)≦pi/2)
とおける。
与えられた漸化式より
A(n+1)=sqrt[(k/2){kcos[X(n)]+k}]
      =kcos{X(n)/2}
したがって、cos{X(n+1)}=cos{X(n)/2}
さらに、 0 ≦ X(n+1), X(n)/2 ≦ pi/2
であるから X(n+1)= X(n)/2

ここで、一つ問題になることがある。
それは、A(1)からX(1)を定めることが困難であることだ。ここでは、高校数学の範囲を
越えてしまうが「cos」の逆関数を用いて表すことにする。
X(1)=arccos{A(1)/k}

したがって、求めるA(n)の一般項は
A(n)=kcos{X(1)/2^(n-1)}
    =kcos[arccos{A(1)/k}/2^(n-1)]
である。


もし、なぜこの仮定、条件のもとでしか解けないのか気になる場合は、また、お返事を
ください。お答えします。(私のわかる範囲の中でしか答えられませんが)    


お便り2006/5/20
from=ZELDA


X(n+1)=X(n)/2とできますか?
X(n+1)=-X(n)/2の場合はどうでしょうか?
という質問ですが、

0≦ X(n+1), X(n)/2 ≦pi/2
という条件から
X(n+1)=-X(n)/2
となることは、ありません。