質問<805>2002/3/8
from=ももっち
「3次関数のグラフの接線」


とある参考書に3次関数のグラフの接線は接点が異なると、
接線が異なるということから
接点の個数⇔接線の本数がいえる、
と言うようなことを書いてあったのですが、
どういうことでしょうか。
どうして接点の個数と接線の本数が等しくなるのか全く解りません。
よろしく御願いします。


お返事2002/3/9
from=武田


3次関数の上の点を接点とすれば、無数の接線が引けるので、
質問の意味が分かりません。もう少し詳しく説明してください。


お便り2002/3/9
from=d3


お久しぶりです.d3です.
質問<805>の主旨は次のことだろうと思います.
”3次関数では,(その3次関数を固定して考えれば),
接点が違えば接線が異なる”ということです.
つまり同一の直線が複数の接点をもたないということです.
多項式で表現される関数y=f(x)については,
接線y=f’(a)(x-a)+f(a)とその関数y=f(x)とは,
連立方程式
{y=f(x)
{y=f’(a)(x-a)+f(a)
yを消去した,方程式 f(x)=f’(a)(x-a)+f(a)・・・#
では,x=aで重解をもちます.
多項式関数についていうと,
”x=aの点で接する”⇔”#が重解をもつ”
ところが,f(x)を3次に限ると,重解があればx=aだけです.
もうこれ以上重解をもちえないからです.
もつと次数が4次以上になってしまうので.
一般に,接点の個数≧接線の本数です.
4次関数をイメージすればわかると思います.
それでは.


お便り2002/3/10
from=ももっち


説明不足で申し訳ありませんでした。
えっと、例えば点(0,k)から曲線C:y=-x^3+3x^2に引いた
接線の本数を求めよ。という問題で、3次関数のグラフで接点が異なると、
接線が異なるということから接点の個数⇔接線の本数がいえる。
そこで、点(0,k)から曲線Cに引いた接線の本数を調べるために、
曲線C上の点(t,-t^3+3t^2)における接線が点(0,k)を通る
ようなtの個数を調べる。とありました。
これの解には、曲線C上の点(t,-t^3+3t^2)における接線が
点(0,k)を通るから 2t^3-3t^2=k・・・①
3次関数のグラフでは、接点が異なると接線が異なるから、
tの3次方程式①の実数解の個数が、求める接線の本数に等しい。
赤くしてあるところが何でそうなるのかが解らないところです。
特に、3次関数のグラフでは接点が異なると接線が異なる、という
ところでまずつまずいてしまっています。これは3次関数に限らず
そうなのではないのでしょうか。
やっぱりわかりにくい説明かもしれませんが、よろしく御願いします。
(持っている問題集にはこれだけしか書いてないんです・・・)
この問題もあまり解らないので、問題の解答と平行して説明して
いただけるとありがたいです。


お便り2002/3/10
from=toshi


高校数学の窓を見させていただいています。
質問<805>についてなのですが、おおよそ
「3次関数f(x)に、ある点P(A.B)から接線を引くとき、
3(2)本の異なる接線が引ける。このときPの軌跡を求めろ」
という問いに対する解答の一部なのではないのでしょうか?
参考書では、3次関数に対し4次関数では
「接点の個数⇔接線の本数」ではないので
この手の問題には、質問にあったような表現をします。

「3次関数のグラフの接線は接点が異なると、接線が異なる」
を利用する事により、接線の一般式と3次関数を連立させた時の
解の個数=接線の本数で、軌跡を求めさせる。
極大値(極小値)を二度取らないことから、わかることです。

つい先日まで大学入試を受けていましたが、
参考書に質問のような表記が出てくるのはこの問題だけだと思います。


お返事2002/3/11
from=武田


d3さんとtoshiさんからアドバイスをいただき、そう言うことかと
合点しました。
「3次関数は、接点の個数と接線の個数が1:1で一致する」ことは、
d3さんが指摘の通り、「接点は連立の重解」のときだから、3次関数
は解3個の内2個が重解として使われるので、接線は1本しかないこと
が言える。
さて、質問の3次関数に対する接線の本数は、3次方程式の判別式によ
って求まる。質問<31>を参照。
 を微分して、
 
3次関数上の接点 を通る接線の方程式は、
 
この接線が点Q(0,k)を通るから、計算して
 
3次方程式ができる。
この方程式の解の個数が、接点の個数になるから、接線の本数にもなる。
(上記の接点の個数と接線の個数が1:1と一致するから)
3次方程式 の判別式は より、
 
 と置き換えて、
 
 
したがって、
 より、判別式にあてはめて、
 
   
①R>0のとき、
   k<-1,0<kで、1実数解2虚数解より、
     接線は1本
②R=0のとき、   k=0,-1で、1実数解と重解より、
     接線は2本
③R<0のとき、
   -1<k<0で、3実数解より、
     接線は3本