質問<9>98/5/23
1 A1=4 An+1=4An-9/An-2(n=1,2,3・・・)
上の数列の一般項の求めかたを教えてください。
( 式の中の1,n+1,n,nはAよりも小さい文字です)
2 A1=4 An+1=4An+8/An+6
上の数列の一般項の求めかたを教えてください。
( 式の中の1,n+1,n,nはAよりも小さい文字です)
非常に見にくい式で申し訳ないのですが、回答をお願いします。
お返事98/5/25
from=武田
蛇足ですが、調べた中にあった線形1階差分方程式の解答を紹介します。形は
A1=4 、 An+1=4An-9n-2……①
です。
A*n=a×n+bとおき、①式に代入
a×(n+1)+b=4(a×n+b)-9n-2
全部左辺に集めて、
(-3a+9)n+(a-3b+2)=0
すべてのnについて成り立つように、
-3a+9=0より、a=3
a-3b+2=0より、b=5/3
一般項は
An=C×4n+A*n
=C×4n+3×n+5/3
A1=4より、C×4+3×1+5/3=4
C=-1/6
答え、An=(-1/6)×4n+3×n+5/3
しかし、これができても分数式の時はできない!
お便り98/7/8
from=kyukusu
An+1-3=(4An-9)/(An-2)-3 An+1-3=(An-3)/(An-2) An+1-3=(An-3)/(An-3+1) Bn+1=Bn/(Bn+1) 1/Bn+1=(Bn+1)/Bn 1/Bn+1=1+1/Bn 1/Bn+1-1/Bn=1 階差が等差数列で.... あとはいいでしょう もう一つのは両辺に4をたすと同様にできます. 頑張って下さい.
(追伸) さっそくのご返事ありがとうございました. 実はあの手の問題は今を去ること20年ほど前に 私が高校生の時”成基学園”という京都にある塾 の通信教育のなかにありました.そのときは確か 誘導形式の問題であったように思います.その時 の印象が強烈で記憶に残っています.駿台(予備校) に通っていたときもあったように思います. 解法は例えば x=(4x-9)/(x-2) の様に特性方程式みたいなのを考えてその解を 両辺から引くという具合にします. 私も教員をしてますが問題を生徒が聞きに来て 「わからん」とはいいにくいですよね. 昨日”数学”で検索をかけてこのぺ-ジを見つ けました.昨日は会議で詳しくかけませんでした ので追加させていただきました.これからも頑張 って下さい.
お便り98/10/2
from=yuki
たびたび済みません。どうも気になってしまったもので 。。。。 A1=4 An+1=(4An-9)/(An-2) (n=1,2,3・・・) 上の数列の一般項の求めかたを教えてください。 ( 式の中の1,n+1,n,nはAよりも小さい文字です) ですが、ええっと、An = (3n+1)/n ではないでしょうか? 漸化式とか色々と難しいことが解答としてあるのですが、 これって、n=1からはじまっているので、まず最初に実際 に代入してみて A1 = 4 = 4/1 A2 = 7/2 A3 = 10/3 A4 = 13/4 ... として、分母と分数を別々に Bn = (4,7,10,13,...) Cn = (1,2,3,4,...) という単純な2つの等差数列に“還元して”求めてはい けないのでしょうか?そのところをお教えいただきたく 思います。 あと、ベクトルのスカラ積からベクトルの大きさを求める 問題がどこかにありましたが、あれもガシガシと計算すれ ばできるような気も…。
お便り98/10/4
from=kyukusu
yukiさんへ 10/2分の漸化式についてですが、おっしゃる通りJAGER さんの1問目はその通りです。分子分母別々に考えてできます。 けれど2問目は一般項An=(24-2^n+1)/(2^n-1-1)で、 分子分母別々に考えるのは大変難しく思われます。 また1問目も類推によるものなので数学的帰納法による証明 が必要になると思います。
お便り99/8/31
from=飯島光治
(武田談:お手紙でアドバイスを頂きました。要約し表現を 変えて掲載します。) yukiさんのやり方を「分母分子法」、kyukusuさんのやり方を 「特性方程式法」と呼ぶとすると、 「特性方程式法」は、問1のときは両辺から3を引くことで、 一般項an=(3n+1)/nを求めることがで きるが、問2のときは両辺から2を引くか、4を加えること で求めるようだが、一般項an=(24-2n+1)/(2n-1-1) はn=1のとき分母=0となり、初項a1=4とはなら ないので、計算間違えだろう。計算法が難解でまだ確認はで きない。 「分母分子法」は、問1も問2も求めることができるが、 問2は分母と分子の階差数列が等比数列になる場合なので、 解き方は難解であるし、類推にすぎない答である。しかし、 階差数列が得意な人には答が出せそうです。 私が紹介するのは、「大学への数学」今月号(1999.9)の特集 に載っていた方法(「αβ法」と呼ぶことにしよう)です。 分数式の漸化式を解くときに、まず an+1+α bn+1=───── とおき、与式an+1を an+1+β 代入する。この置き方が特徴である。 問1は計算すると、α=βとなるので、この「αβ法」では 解けません。残念ですね。(後で分かるのだが、やさしい等 差の方はダメなようだ。) しかし、難問の問2の方がα≠βとなるので、解けるのです。 4an+8 ──── +α an+6 bn+1=────── 4an+8 ──── +β an+6 分母と分子にan+6を掛けて、 4an+8+α(an+6) bn+1=──────────── 4an+8+β(an+6) (4+α)an+8+6α =──────────── (4+β)an+8+6β (4+α) an+(8+6α)/(4+α) =─────・─────────────── (4+β) an+(8+6β)/(4+β) 4+α bn+1=────・bn 4+β となるためには、α=(8+6α)/(4+α) βの場合でも同じである。そこで、xとおき計算すると、 x(4+x)=8+6x x2-2x-8=0という2次方程式が出てくる。 因数分解して、(x-4)(x+2)=0 ∴x=4,-2 これは、「特性方程式法」の4を加えるか2を引くと同じに なっている。α=4、β=-2とおく。逆でも同じ結果にな る。 8 bn+1=──・bn=4bn 2 bnは等比数列になる。どうやら「αβ法」はbn 数列が等比数列になるのに向いているようだ。 公比は4で、 a1=4より、 a1+α 4+4 8 b1=────=───=─=4 a1+β 4-2 2 初項は4なので、 bn=4・4n-1=4n したがって、 an+α bn=─────より、 an+β an+4 4n=───── an-2 4n(an-2)=an+4 (4n-1)an=2・4n+4 ∴ 2・4n+4 an=────── ……(答) 4n-1
お便り99/9/6
from=村嶋健吾
(武田談:便せん4枚にわたるアドバイスを頂きました。 大事な点もあるので、全文掲載することにしました。) この問題も1次変換です。 (1)An+1=(4An-9)/(An-2)は (1)' w=(4z-9)/(z-2) (2)An+1=(4An+8)/(An+6)は (2)' w=(4z+8)/(z+6) と書き直します。 1次変換w=(az+b)/(cz+d)(c≠0)について 次の定理が成り立つ。 <1>不動点が1個のとき、不動点をξ1とすると、 1 1 ────=────+k w-ξ1 z-ξ1 <2>不動点が2個のとき、不動点をξ1、ξ2とすると、 w-ξ1 z-ξ1 ────=k・──── w-ξ2 z-ξ2 この問題(大学入試でしょう)を作った大学の先生は、複素 関数論の教科書の例題等から、考え出したのでしょう。 (解1)不動点を求めると、z=(4z-9)/(z-2)より、 (z-3)2=0(重解)より、定理<1>が使 える。ξ1=3 計算すると、k=1 1 1 ───=───+1 w-3 z-3 したがって、 1 1 ────=────+1 an+1-3 an-3 となる。 数列 1 { ──── }は等差数列である。 an-3 1 ────=1+(n-1)・1=n an-3 1=n・(an-3) ∴an=(3n+1)/n (解2)不動点を求めると、z=(4z+8)/(z+6) より、(z-2)(z+4)=0より、定理<2>が使える。 ξ1=-4、ξ2=2 計算すると、(飯島先生のやり方と同じで)k=4 w+4 z+4 ───=4・─── w-2 z-2 したがって、 an+1+4 an+4 ────=4・──── an+1-2 an-2 となる。 数列 an+4 { ─── }は等比数列である。 an-2 an+4 ───=4・4n-1=4n an-2 an+4=4n・(an-2) ∴an=(2・4n+4)/(4n-1) (1)と(2)でやり方が異なるのがイヤなところ。統一的 なやり方で できないかと考えたのが、以下の方法です。 (1)' w=(4z-9)/(z-2) (2)' w=(4z+8)/(z+6) を1次変換 (1)'' (X) (4 -9)(x) ( )=( )( ) (Y) (1 -2)(y) (2)'' (X) (4 8)(x) ( )=( )( ) (Y) (1 6)(y) に対応させる。 (解2)2の方が易しい。 行列の特性方程式 |λ-4 -8| | |=0を解くと、 |-1 λ-6| (λ-4)(λ-6)-(-1)(-8)=0 λ2-10λ+16=0 (λ-2)(λ-8)=0 ∴λ=2,8(固有値) ==========補足説明=============================== A=( 4 8 ) ( 1 6 ) λ=2 に対する固有ベクトルを,(A-λI)v = 0 から求めます。 ここに I は単位行列です。 ( 4-2 8 )(x) = (0) ( 1 6-2 )(y) (0) これより x+4y=0 固有ベクトルは (-4) ( 1) のスカラー倍です。 同様に、 λ=8 に対する固有ベクトルは, ( 4-8 8 )(x) = (0) ( 1 6-8)(y) (0) より x-2y=0 固有ベクトルは ( 2) ( 1) のスカラー倍です。 いま求めた2つの固有ベクトル(縦ベクトル)を横に並べて P=( -4 2 ) ( 1 1 ) ==========補足説明終わり=============================== これに対応する固有ベクトルを(-4) (2)として、 (1),(1) (-4 2) (4 8) P=( )とおく。A=( )に対して (1 1) (1 6) (2 0) P-1AP=( )となる。(対角化) (0 8) 両辺をn-1乗すると、 (2 0)n-1 (P-1AP)n-1=( ) (0 8) (2n-1 0) P-1An-1P=( ) (0 8n-1) (2n-1 0) ∴An-1=P( )P-1 (0 8n-1) (2/3・2n-1+1/3・8n-1 -4/3・2n-1+4/3・8n-1) =( ) (-1/6・2n-1+1/6・8n-1 1/3・2n-1+2/3・8n-1) 初項4=4/1と考えて、x1=4、y1=1 (xn ) (4) ( )=An-1( )を書き下して、 (yn ) (1) {xn=4/3・2n-1+8/3・8n-1 (分子) {yn=-1/3・2n-1+4/3・8n-1 (分母) ∴an=xn/yn =(2・4n+4)/(4n-1) (解1) 行列の特性方程式 |λ-4 9| | |=0を解くと、 |-1 λ+2| (λ-4)(λ+2)-(-1)・9=0 λ2-2λ+1=0 (λ-1)2=0 ∴λ=1(固有値は重解となる) ==========補足説明=============================== この場合は退化型(化け猫がペシャンコ)です。 A=( 4 -9 ) ( 1 -2 ) λ=1 に対して,(A-λI)v ≠ 0 から求めます。 この式を満たすベクトル v を任意にとります。例えば v = ( 1 ) ( 1 ) にします。 ( 4-1 -9 )(1) = (-6) ( 1 -2-1 )(1) (-2) ですから、たしかにゼロ・ベクトルになりませんが、 この右辺のベクトルを v' とします。 そうしたら、v' と v を並べて行列を作ります。 P =(-6 1) (-2 1) これで P ができました。 詳しくは、線型代数かJordan標準形の教科書を参照してくだ さい。 ==========補足説明終わり=============================== これに対応する固有ベクトルを(-6) (1)として、 (-2),(1) (-6 1) (4 -9) P=( )とおく。A=( )に対して (-2 1) (1 -2) (1 1) P-1AP=( )となる。 (0 1) (重解だから、対角化できずに、三角行列になる) 両辺をn-1乗すると、 (1 1)n-1 (P-1AP)n-1=( ) (0 1) (1 n-1) P-1An-1P=( ) (0 1) (1 n-1) ∴An-1=P( )P-1 (0 1) (3n-2 -9n+9) =( ) ( n-1 -3n+4) 初項4=4/1と考えて、x1=4、y1=1 (xn ) (4) ( )=An-1( )を書き下して、 (yn ) (1) {xn=3n+1 (分子) {yn=n (分母) ∴an=xn/yn =(3n+1)/n