読書欄

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100.「葬られた王朝」を読んで

著者の梅原猛は、40年前出版した「神々の流竄(るざん)」(集英社発行)で、出雲神話をフィクションとし、出雲大社は日本書紀や古事記の時代に建造されたらしい神社としての位置づけであったが、1984年に荒神谷遺跡(こうじんだにいせき。「中国・四国への旅09」で訪問した遺跡)から銅剣358本・銅鐸6個・銅矛16本が発見されたり、1996年加茂岩倉遺跡で39個の銅鐸が発見されるなど、大和王朝より以前の歴史が眼前に立ち現れてくるのに触れ、自作である「神々の流竄」を自ら否定し、出雲神話をノンフィクションとして再構築する活動の後に書かれた、この本「葬られた王朝」(新潮社発行)は、二重三重の意味で素晴らしいものがあった。

前説を自分で否定することの難しさと、敢えて決行する勇気。そして、ノンフィクションと言い切るための証拠調べなど、十分になされていて、大変読み応えのある本となった。「仏の発見」の対談にでてきた本の流れで読むことになったことを幸せに感じている。自然に読んで、興味を引いた次へと流れていく読み方に面白さを感じている。それ故か複数冊同時に読んでも苦にならない。無理なものは自然と読まなくなるか、時間がかかっている。

「葬られた王朝」に戻るが、大和王朝の前に、出雲王朝が存在したことと、その前に有力な越の国(糸魚川周辺)が存在し瑪瑙(めのう)生産がされており、スサノオのヤマタノオロチ退治が、越の国による出雲支配からの解放であり、その6代後のオオクニヌシノミコトが日本統一をし、有力後継者がいないため、大和王朝に飲み込まれていったことや、その祓いのために、巨大な地上48メートルの高さに出雲大社(2000年に巨大な柱が発見された)を建て、スサノオとオオクニヌシノミコトを祭ったこと。そのことが日本書紀や古事記や各地の風土記に記載されていることを確認している。また、大和王朝の権威を高めるために書かれた日本書紀や古事記は、その一部を都合良く書き換えたが、全体的には当時の様子を表現しており、当時の実質的な権力者の藤原不比等(ふひと、中臣鎌足の息子。天智天皇の子どもではと言う説もあり)の藤原一門1000年の地盤を築くために文献として読めば、その当時が透けて見えてくる様な気がする。

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99.「虞美人草(ぐびじんそう)」を読んで

夏目漱石の「坑夫」を読んで、朝日新聞社での連載の第1号であり、夏目漱石自身の思いつくまま書いたと言われる「坊ちゃん」とは違う、読者を意識し、人間性も考慮しながらチャレンジしたという「虞美人草」に興味を持ち、4月から勤務した学校の図書館で「夏目漱石全集4」(ちくま文庫)を借りて、読んでみた。
難解な漢字や当時の言い回しや漱石自身の教養から来る詩歌・俳句・川柳・漢詩などが散りばめられており、意味が理解できず遅々とした進みであったのが正直なところである。しかし、所々出てくる漢字本来の意味を醸し出す表現などに感心したこともあった。しかし、「坑夫」と違って、登場人物の性格が今ひとつ区別できず混乱をしていた。
後から読み始めた本に先を越されながらも遅々として進んでいった。ところがである。ある日家に帰ると、妻が面白い録画があるから見ろと五月蝿く言う。毎回そうだが、言われるまま見ると大概「見て良かった。感謝!!」と言うことになる。今回もそうであった。BSアーカイブスのHV特集シリーズ恋物語「虞美人草殺人事件 漱石 百年の恋物語」である。黒谷友香の藤尾をはじめ、登場した俳優が全て見事に登場人物の雰囲気を表現していたため、その後の読書が頭の奥に映像化されてきたのにはビックリした。映像化が読書を助ける思いがした。更に、評論している人々(小森陽一、小倉千加子、島田雅彦、岩井志麻子、斉藤環)の話がとても面白かったし、ナレーションの長塚圭史も聞き惚れたので、楽しく録画を見ることができた。すると、その後はあっという間に読み終わった。藤尾の突然の死が、小倉千加子さんの分析で奥深く読み取ることができたと思う。

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98.「憂国の明治人 谷干城」を読んで

私の両親の故郷である高知の窪川(現在は四万十町)で時々見かけた「谷干城祭り」は、正直に言うと余り興味を持ってはいなかった。谷 干城(たに かんじょう)は坂本龍馬と一緒に明治維新を起こし、明治政府で活躍した軍人で国家主義者かなとぐらいしか知識がなかったのだ。
しかし、以前読んだ加治将一さんの本「あやつられた龍馬」に、龍馬暗殺時に最初に駆けつけ、犯人捜しに全力で取り組んだ人で、後日犯人が名乗り出たときに絶対違うと主張しているという文章があったので、その時から興味がでてきて、いつか本があれば読んでみたいなあと思っていた。
この3月25日に中公新書から青山学院大学教授の小林和幸さんが出版されたのを知って、さっそく購入し読むことになった。国家主義者などと誤解していたことを大いに反省している。私の考えだが、この谷干城こそが、坂本龍馬の考えを明治の時代に伝え実行した人だと確信した。
明治時代に参議院(当時は貴族院)のあり方を追求し、国民と共にある立場で、政府や議会(衆議院)の誤りを正して主張していった人である。
藩閥政府から政党政府へ移行していく辺りの歴史も学ぶことができた。この人の伝記を持って、不明であった明治時代の流れが理解できた気がする。高校の教科書には、明治時代が余り掲載されていないのでよく分からなかったのが現状だろう。やはり、批判していく人が少なくなっていくことで、歴史は曲解され作られていくのかもしれない。

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97.「仏の発見」を読んで

五木寛之さんと梅原猛さんの対談「仏の発見」(平凡社発行)を読んだが、日本における仏教の変遷と、この混迷した時代に「仏(ほとけ)」のもつ意義を理解することができた。久しぶりに良い本に巡り会えた感じがする。
今後も二人の作品(梅原猛「葬られた王朝」、五木寛之「親鸞」など)に興味を持って、読んでいきたいと思う。この本の中で出てきたドフトエフスキイ著「カラマーゾフの兄弟」も読んでみたい。

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96.「GEQ」を読んで

柴田哲孝さんの本「GEQ」(角川書店発行)を読むのは、胸を躍らせて読んだ「下山事件 最後の証言」以来であるが、この本は巨大地震を扱った作品である。阪神・淡路島大地震をはじめ、スマトラ島沖大地震・四川大地震などを扱ったこの本は1年前に発行されたものであるが、1年後の先日3月11日に東北・関東大震災を体験し、その後の福島原発の事故などを見ている私としては、類似していて恐ろしくなってくる。フィクションとは言え、想像を広げたくなるような陰謀渦巻く本である。
このあと、なぜか「仏の発見」(五木寛之・梅原猛対談)を読んでいる。2万人以上の被災者を見た今、科学への不信が仏への関心とつながっているのかもしれない。後日、読後感を紹介したい。

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95.「Javaがわかる本」を読んで

鈴木啓高(㈱エイチアイ取締役)著作の「Javaがわかる本」(オーム社発行)は、Javaに関連する用語と携帯電話への使い道や家電とのつながりなどが分かりやすく紹介されている。用語で困ったときには、この本を見れば分かるように書かれているので、今後役立つであろう。
行きつけの本屋さん(ブックマンズアカデミー太田店)で、次の三冊も購入した。
①Javaサンプルプログラム集
②Javaで学ぶ数値解析
③Eclipse3.6完全攻略

これから楽しみながら勉強していきたいと思います。そして、ホームページ上で動くソフトの開発を目指していきたいと思います。

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94.「Java入門」を読んで

ホームページ上で動くソフトの開発を目指して、駒宮さんと取り組むことになりました。彼はC++で開発できる力があるので期待が大です。私も少しはやれるようにしたいと思い、あれこれやってみましたが、得意なホームページに生かせる点で、やっと「Java」に辿り着きました。
最初にそう思えたのが、この本「プログラムを作ろう! Java入門 数独の問題を作ってみよう」(日経BPソフトプレス発行)です。古金谷博・藤尾聡子・鳥居隆司の3人の著作ですが、楽しみながら分かりやすくできているので、大変面白く勉強ができました。
何よりも自分のパソコンに開発環境を設定することができた点が大きいと思います。Eclipseのインストールができることが、ちょうど昔に感じたFD(故・出射厚さん作)に出会ったような感覚にとらわれました。

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93.「坑夫(こうふ)」を読んで

前回の「海辺のカフカ」を読んで、その中に出てくる夏目漱石の「坑夫」を読んでみたくなり、学校の図書館で借りた。

「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「三四郎」などで有名な明治の文豪であるが、真面目に読んだのは「坊ちゃん」ぐらいであった。読まないまま終わるかと思っていたが、朝日新聞社のお抱え小説家である夏目漱石の「虞美人草」に続く第2作目がこの「坑夫」である。まさかこれを読むことになるとは。

「坑夫」自体には物語性はないが、主人公の心の中の意識の流れが見事に描写されているところがあり、その後の夏目漱石の作品への試金石となっているとともに、村上春樹等のその後の作家の糧になっていると思われる。

父の他界が読んでいる同時期にあったので、人生の偶然性とその奥に潜む意識の流れを感じることができた。

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92.「海辺のカフカ」を読んで

村上春樹の本「1Q84」を読んでから、彼のファンになった。そこで、他の本も読んでみようと思い、下の娘が昔買って愛読していた「海辺のカフカ」をもらって、読んでみることにした。

「1Q84」がオムニバス風に記述されているのに最初は違和感を感じていたが、読むにつれて新鮮な感じがしてきた。この原点が「海辺のカフカ」にもあったので、この本を読むときには懐かしい感じで読むことができた。ちょっぴり不思議だ。

2つの流れが、何かに向かって離れていながら引きつけられていく感じも、とても良い。舞台が高松と高知が出てくるところは、「南海の翼」を読んだ後でもあり、登場してくる四国が素敵である。私の生まれた高知の懐かしい四万十川沿いは出てこなかったが、深い森には愛着はある。入り込んでいったときに二人の兵士が出てくるのかなあとフッと思った。

この流れで、村上春樹の「ノルウェイの森」も読めそうだ。昔は、全然読む気がしなかったから、この現在のポジションがそうさせるのが、また面白い。この流れをしばし続けよう。

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91.「南海の翼」を読んで

 天野純希の作品「長宗我部元親正伝 南海の翼」を読んだ。坂本龍馬に出てくる下士の存在が山内一豊の前の領主長宗我部元親に由来すると思い、その存在が気になりだしたとき、天野氏の作品の宣伝が新聞に出た。近所の本屋さんになかったので、群馬のブックマンズアカデミー太田店に行き、そこで見つけた。この本屋は専門書もたくさんあるので、私のお気に入りの本屋だ。

 信長が頭角を現した同じ時期に、長宗我部元親は土佐、そして四国全土を統一する。信長の四国征伐に備え、軍を整えていた。その矢先に起こった、本能寺の変。これが長宗我部元親の夢を狂わせた。人生の上り坂と衰退の境界がこれほどはっきりとしている人物も少なかろう。

 長宗我部家は、明智光秀との関係が深い。四国統一を目ざすに当たって、信長に接近するのだが、この時に便宜を図ってくれたのが明智光秀。また信親の妻初音は明智の旧臣の娘だった。本能寺の変にあたっての、秀吉の暗躍を推察する下りもあり、興味深い。

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90.「孤舟」を読んで

渡辺淳一の本。今までは、「失楽園」のような恋愛ものが多いということで読まないでいたが、妻から他の面もあるので食わず嫌いではなく読んでみてはと勧められた。定年後の団塊の世代の苦悩を描いているので読んでみた。

東京にある大手広告代理店の役員として定年退職。仕事人間で高給取りで出世争いをする人生を送ってきた主人公(威一郎)は、ライバルとの確執で退職。その反動で、バラ色の第二の人生を追い求めようとしてきたが、それまでの生き方を変えないまま、家族と接したために、妻は「夫在宅ストレス」でノイローゼ気味となり、妻は家を出てしまう。寄る辺なくさまよう威一郎が出会ったのはデ-トクラブの若い女の子。

ここまでくると、いつものパターンの不倫ものになってくる。これが好きな人もいるとは思うが、定年後の悩みを少しは共有する私としては、ガックリする。妻から定年後の生き方を提案しているかもしれないと言われて読んだものだから、当てが外れた感じである。

しかし、強いて言えば、定年後の男の実態を表現しているので、笑えるところがいくつもあった。腰痛ではじめて、長年連れ添った妻の有難味が分かり、家事の分担もするようになったところは、現実的ではある。

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89.「大利根百話」を読んで

建設省(現在の国土交通省)関東地方建設局監修の「大利根百話」は、昭和62年11月に(社)関東建設弘済会からの出版された関東地方の河川(特に利根川を中心に)の歴史などを百話の形で掲載した本である。
自転車で河川をサイクリングしている私としては、随所で出会う記念碑や河川工事箇所の様子を知っているので、出てくる話がとても親近感を持って読むことができた。現在よく行く水上温泉も利根川が目の前を流れていくし、ログハウスを建てているそばにも赤谷川の上流部分が存在する。渡瀬遊水池の成り立ちや、赤堀川という名前の由来や利根運河が何故あるのかなど分からなかったことが全て理解できた。私にとっては、河のバイブルのような本に思える。
もう一度この本を見ながらサイクリングに出てみたい。

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88.「わが友マキアヴェッリ 3 フィレンツェ存亡」を読んで

塩野七生の描くマキアヴェッリの3巻目を読み終わった。第1巻が「何を見たか」、第2巻は「何をしたか」、第3巻は「何を考えたか」の視点から書かれている。
フィレンツェと言えば、メディチ家を思い出すが、全員が必ずしも市民の支持を得ていたわけではないことが分かった。このメディチ家追放に荷担したという疑いで、フィレンツェの政府要職を追われたマキアヴェッリは、無職のまま悶々とした生活を送っていた。市内の家で暮らせなくなったので、葡萄酒などを作りながら山荘での日々はどういう生活であったろうか興味が湧いた。都会ではお金と仕事がないと暮らせないが、田舎では自給自足が可能なので、細々とだが暮らしていける。現代の日本の様子と通じるものがある。
そこで、彼は「物書き」としての日々を過ごすのだが、それは隠居の物書きではなく、再び政府の要職に戻る意欲満々の「政権はこうあるべきだ」という意見を提示する物書きである。「君主論」をはじめ、「政略論」「戦略論」などである。他に喜劇の台本も書いている。喜劇「マンドラーゴラ」を一度見てみたいものだ。
最終的に、マキアヴェッリの死去と共に、1530年8月フィレンツェ共和国は滅亡した。カルロス率いるスペイン軍に支配される時代に突入する。
蛇足だが、この本全てに付いている解説が、「外務省のラスプーチン」と呼ばれ失脚した佐藤 優氏が書いているのだが、これがまたなかなか面白い。

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87.「1Q84 BOOK3」を読んで

村上春樹の話題作「1Q84」のBOOK3は、ブックオフを妻に探してもらったが、さすがにまだ出品されていなかったので、書店で定価で購入して読むことにした。
牛河の登場でますます面白くなったが、青豆と天吾のすれ違いが「有楽町で会いましょう」風で読むスピードが速くなっていった。知人はBOOK4があるのではないかと言うが、私は心にポンと落ちる終わり方なので、満足感に包まれている。

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86.「わが友マキアヴェッリ 2 フィレンツェ存亡」を読んで

塩野七生の描くマキアヴェッリの2巻目を読み終わった。なぜか仙谷官房長官(せんごく、菅内閣)のイメージが浮かんできた。何から何まで準備し行動して時の政権の下支えをしている姿がダブるのだろうか。
「西暦1500年の働きバチ」と塩野氏がマキアヴェッリのことを言っていることが本を読むとよく分かる。疲れを知らない大活躍ぶりには頭が下がる思いがする。
この本で君主論のイメージの対象が「チェーザレ・ボルジア」であると言うことが分かった。また、イタリアはイタリア人でなくヴェネチア人やフィレンツェ人やピサ人やローマ人などの都市国家の集合体として後日誕生したことが分かった。このように考えてこそイタリアの歴史が見えてくる。これらを始めて統一しようとして夢破れたチェーザレの姿に、マキアヴェッリは君主を見たのだろう。
第3巻が楽しみである。

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85.「ローマ亡き後の地中海世界 下」を読んで

再び塩野七生ですが、前回読んだ「ローマ亡き後の地中海世界 上」の続きとして購入し、他の本と同時に読んでいるので、少し時間がかかってしまいました。「マルタ島攻防」によって地中海世界の様子が変化してきたことを知り、何故か織田信長の桶狭間の戦いを連想した自分に感心したりしています。
マルタ島への興味が涌いてきています。前回の上巻で興味が涌いたのはシチリア島でしたので、二つ合わせて今度行くとしたらイタリアの南の「シチリア・マルタの旅」でしょうか。
また、マルタ騎士団団長のラ・ヴァレッテと言う人物にも興味が涌きました。マルタ島の首都「ヴァレッタ」の名前として名誉が保存されています。

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84.「1Q84 BOOK1・BOOK2」を読んで

村上春樹の話題作「1Q84」にチャレンジである。オーム真理教を題材にしていると聞いていたので、あまり読む気がしないまま過ぎてきたが、この春に3冊目が出版されたので、重い腰を上げました。
しかし、読んでみると面白く、青豆の登場の仕方や天吾の雰囲気などと同時に少女ふかえりのことや「空気さなぎ」の謎など、次々と惹きつけていきます。
2冊読み終えて、今妻に3冊目をブックオフで1000円で買ってきてくれるように頼んでいるところです。

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83.「わが友マキアヴェッリ 1 フィレンツェ存亡」を読んで

すっかり塩野七生のファンになった私は、「君主論」を描いたマキアヴェッリについてのこの本を読んでみたくなった。遠い世界の話で、かつ政治学的な感じのするマキアヴェッリは、今までの私にとっては無縁の世界の人物であった。
さぞかし堅く難しい本だろうと思っていたが、塩野七生の手にかかると身近にいる親しげな公務員の一生のような感じで読むことができる。イタリア旅行で見たフィレンツェ市内の様子も、この本を読む手助けになっている。
1冊目を読み終わったので、今後2・3冊と読み進めていきたい。国を治める政治家に対するリーダー論としての視点を教えてくれるような気がする。

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82.「母 -オモニ-」を読んで

姜 尚中(カン サンジュン)の「母 -オモニ-」(集英社)は、新聞の本の紹介で見て、2つの思いから読んでみたくなった本である。一つは、テレビのニュース解説や美術番組に出ているカン サンジュンの落ち着いた風貌にある。二つ目は、今毎週楽しみに録画しながら見ている「イ・サン」や昔よく見た「チャングムの誓い」などの韓国歴史ドラマに出てくるオモニの力強さにある。
韓国ドラマを見続ける中で、幼少時代に感じていた差別意識は消え去り、その雄大なる歴史にあこがれを感じ始めている中で、一方の第二次世界大戦による日本の朝鮮侵略とその後の在日の人々の苦労を思うとき、罪悪感がノドの奥にトゲとして刺さった感じでいた。
そういう中に登場したカンサンジュンは、苦労が顔に表れないクールな雰囲気を醸し出している。その生い立ちと父母の子育ての方法はどうなのかに興味を持ち、その秘密がこの本にあるのではないかと思って読んでみた。
予想通り、力強くたくましいオモニ(お母さん)がそこにいた。その周りのアボジ(お父さん)や岩本さんなどの姿に助け合うことの大切さと、鉄男自身がサンジュンに成長していく様子を知ることができた。読んで良かった本である。

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81.「日本人へ リーダー篇」を読んで

塩野七生の「日本人へ リーダー篇」(文春新書)は、危機の時代である現代の政治のリーダーに求める資質を、ローマ時代の数多くのリーダーを分析することにより、まとめ上げた本である。
(カエサルの言葉)人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない。
(危機)危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ替えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない。
(老いる)人間にも年齢があるのに似て、組織にも、そして国家にもある。ただし、この場合の「年齢」は、肉体上と言うより、精神の年齢を指すのはもちろんである。
(リーダーの条件)自己反省は、絶対に一人でなされねばならない。決断を下すのも孤独だが、反省もまた孤独な行為なのである。
(拝啓 小泉純一郎様)私があなたに求めることはただ一つ、刀折れ矢尽き、満身創痍になるまで責務を果たしつづけ、政治家としての命を終えて下さることなのです。

そして、扉に「なぜリスクをとるリーダーが出ないのか」とある。

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80.「安心!山のぼりバイブル」を読んで

樋口英子の「安心!山のぼりバイブル」(大泉書店)は、田舎暮らしと同時に始めた山登りのノウハウを知りたいという要求から購入した本である。服装や道具の紹介から始まって、地図の見方やトラブル対処法まで書いてあるので、今まで不安だった部分のいくつかが解消できた。樋口英子さんの優しく確実な忠告のポイントアドバイスが妙に良い。
地図も、エリアマップと2万5000分の1地形図の2つによって事前にイメージトレーニングする大切さがよく分かった。この前行った大峰山は偶然ベテランに引率してもらったから良かったので、自分たちだけで行くときはこのイメージトレーニングをしっかりやろう。

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79.「田舎暮らしに殺されない法」を読んで

丸山健二の「田舎暮らしに殺されない法」(朝日新聞出版)を妻から勧められて読んだ。田舎暮らしにどちらかというと反対している妻なので、我が意を得たりの本と思えたようだ。しかし、それぐらいでへこたれる私ではない。対策を練り上げつつある。しかし、本音は「こりゃ弱ったな」である。
この恐ろしい本を書いた丸山健二さんの紹介をasahi.comから抜粋する。長野県・安曇野に住み、「長年の田舎暮らしが私を心身ともに鍛え上げてくれた」という作家が、田舎で「第二の人生」を夢見る団塊世代の安易な心づもりに冷や水をぶっかける。「自然が美しい」とは「生活環境が厳しい」こと、犯罪集団に襲われたときに闘う覚悟はあるか、などのほか自身の体験を交え、移住者と地元住民との意識の違い、越え難い溝など、説得力をもって迫る。「桃源郷などこの世のどこにも存在しません」。そう知って初めて、第二の人生が始まる。
イヤハヤである。

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78.「自分たちで家を建てるために ハンドメイド・ハウス」を読んで

ログハウスを建てると友人に言ったら、昔購入したと言う藤門弘の「自分たちで家を建てるために ハンドメイド・ハウス」(山と渓谷社、1983年初版)をプレゼントしてくれた。同じような本を購入したいと思いアマゾン(amazon.co.jp)で調べてみたら、1300円のこの本が6000円以上の中古品として売られていた。プレゼントしていただいた友人に感謝すると同時に大事に利用したいと思います。
プランニングから始まって、①ログ・キャビン②ドーム・ハウス③2×4工法④在来工法⑤組積造の紹介から、共通工事の基礎や左官・塗装そして、給排水や電気・暖房まで載っているので、正にハンドメイドのバイブルのような感じですね。

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77.「天の恵みを活かす はじめての雨水利用」を読んで

角川浩の「天の恵みを活かす はじめての雨水利用」は、理工学関係の出版社のパワー社から出版された本だが、エコな時代の先駆けとして、房総半島中央部で「エコロジー夢ガーデン」を作り研究している角川浩さんの、数ある研究の中の1つの雨水利用についての本である。
ログハウス建設地の水の確保のため雨水利用を本気で取り込もうと考え、この本を購入した。まだまだだが、ログハウス建築後に取り組みたいと思っている。

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76.「平成三十年」を読んで

堺屋太一の「平成三十年(上・下)」(朝日新聞社)は、1998年(平成10年)頃朝日新聞に連載されたものを2002年(平成14年)頃加筆して発行したものだが、上巻の「何もしなかった日本」と下巻の「天下分け目の『改革合戦』」は、現在2010年(平成22年)の6月6日(自民党内閣は交代し、民主党・鳩山内閣になるが、普天間問題とお金の問題で、民主党・菅内閣に交代。現在組閣中)の様子を予言していたかのように思えるから面白い。
このあと、2018年(平成30年)はこのようになるか興味津々である。しかし、団塊の世代の多くが70歳代になるのだから、現実化するのだろう。

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75.「ローマ亡き後の地中海世界 上」を読んで

昨年(2009年夏)に出かけたイタリア旅行が大変気に入り、ダン・ブラウンの「天使と悪魔」(上・中・下)も夢中で読んでしまった。結局イタリアの全てに圧倒されたわけである。その歴史の深さとそれを残している寺院や建物、絵画、遺跡等々に感動した次第である。
そこで、「日本史」が好きだった私が、突如「世界史」が好きになるのであるが、その節操の無さにも呆れるが仕方がない。好きになったら填るのが教養が広くなるコツでもあるので、早速読んだのが、塩野七生さんの著「ローマ亡き後の地中海世界」である。まだ上巻しか読んでないが、知らないことばかりであった。歴史の面白さと謎が解明していく様は、本業の数学と似ている。謎が解けてこそ面白さが倍増する。現在の高校教育の教材論のマイナス面を実感することしばしである。
この本は、ローマ帝国が滅んだ後の地中海を支配した「イスラムの海賊」の有り様が微々再々と記述されている。西暦476年、西ローマ帝国が滅び、地中海は群雄割拠の時代に入る。「右手に剣、左手にコーラン」と、拉致、略奪を繰り返すサラセン人(イスラム教の北アフリカの人々をこう呼ぶ)の海賊たち。その蛮行にキリスト教国は震え上がる。拉致された人々を救出するための修道会や騎士団も生まれ、熾烈な攻防が展開される。その期間約1000年にも及ぶ膨大な期間である。
地中海世界の新たな面を見た気がして、「シチリア」旅行をしてみたくなった。

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74.「ハマの風 富貴楼お倉物語」を読んで

妻から聞いた話によると、彼女の祖母が子どもの頃(明治時代の後期にあたる)横浜に住んでいて、その近所に「富貴楼(ふうきろう)」と言う有名な料亭(待合)があって、子どもの祖母が時々遊びに行って当時の政府高官と話をしたことがあると言う。
妻も私も遠い昔の話なので本当には信じられないでいたが、横浜在住の耳鼻咽喉科の医師・樋口いく子が興味を持ち調べ上げて描いた長編歴史小説(幻冬舎ルネッサンス発行)は、そう言う私たちに当時の横浜の発展していく様子とそこに暮らし子ども時代をハイカラな感じで遊んでいた祖母の姿を浮かび上がらしてくれた。英語の勉強もしたことがあると言っていたが、それも合点した。
この富貴楼という料亭には、田中平八(巨商・糸平と呼ばれていた)をはじめ、岩崎弥太郎、井上馨、陸奥宗光、伊藤博文、大江卓らの重鎮が出入りしたことから、明治初期の政治の駆け引きの舞台となったと言われる。そして、そこを一代で築いた女将・お倉(おくら、本名・斎藤たけ)についての物語は非常に面白いものがあった。多分、明治の歴史を裏表から知っている(以前読んだ本などが伏線にある)私は、「浅草の水茶屋」「内藤新宿の女郎屋」「亀次郎のヒモ暮らし」「八丁堀の与力の妾」「品川の妓楼の女郎」「ヨコハマの置屋の商売女」「横浜・駒形町での芸者屋経営」「糸平の贔屓で横浜・駒形町に富貴楼経営」「横浜・尾上町に富貴楼経営」等々と続く女の裏の世界(妻はこれらの話の連続に途中で読むのを止めてしまった)の裏に流れる明治時代の様子がオーバーラップして、どちらかというと面白く一気に読み終えた。
特にいくつか印象的な言葉がお倉の口を借りて書かれているので紹介したい。
「本来、人間というのは与えられた環境のなかで精一杯やっていくしか道はない。生まれる時代も国も性も容貌も能力も、なにひとつ自分から決められるものはない。けれどもその環境のなかで、前を向いて生きていけるかどうかで、その人間の価値は定まるのであろう。」
「歳をとるといろいろ情けないことも出てくるけど、反面、歳をとったからこそのご褒美を貰えることもあるんだわ」

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73.「団塊の世代『黄金の十年』が始まる」を読んで

今回紹介する本だが、たまたま立ち寄った「ブックオフ」に置いてあった。団塊の世代に属する私は、この5年間定年後のことを考えていろいろ試行錯誤を繰り返してきた。その結果、サイクリングをはじめ、バナナダイエットも継続中だし、複素関数論を勉強し始めたし、ホームページ作成のお手伝いもしている。その上、群馬の山の方にログハウスまで建てる段階にきた。外国旅行もパリとイタリアにいった。なにか足掻いているような気がしていたが、この堺屋太一の本(とは言っても2005年には発刊されていたが、気づかなかった)を1日で読破して、納得した。そうか「黄金の十年」が始まるのかと。 そして今、同じ堺屋太一の「平成三十年」を読み始めている。同時に、塩野七生の「ローマ亡き後の地中海世界」も読んでいる。実に面白い。また、読書に填りそうだ。

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72.「安らぐ家は『間取り』で決まる」を読んで

上田康允の「安らぐ家は『間取り』で決まる」(成美堂出版)は、田舎暮らしでログ建設に乗り出した私に、建築関係の会社に勤めている次女がプレゼントしてくれた本である。ログハウスなので余り関係ないとは言え、一応読んで基礎知識を身につけておいた。
今後と言うより、今ある家(2階が居間)の問題点を26年ぶりに気づかされたというのが本音である。

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71.「天使と悪魔」を読んで

ダン・ブラウンの「天使と悪魔(上・中・下)」(角川文庫)は、以前読んだ「ダ・ヴィンチ・コード」と同じ作者であるが、イタリア旅行でローマのヴァチカンを見学したあとでもあり、また謎解きものが好きな私にとっては読み応えのある作品である。
文庫本で読んだが、上巻が紛失してしまった。どこにあるのかな?

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70.「なっとくする複素関数」を読んで

小野寺嘉孝の「なっとくする複素関数」(講談社)を読んだのは、大学生からの質問もあるが、ホームページ「高校数学の窓」にくる質問の微分方程式に関する問題の内、微積分の本を読んでも解けないものがあったのだが、それがこの本が説明する複素関数によって解けることが分かったことからくる必要性から一気に読破した。
私の立場としては発展していく分野までは必要ないが、納得する範囲までは理解したかったので、読んで嬉しくなった。

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69.「Access VBAデータベース構築講座」を読んで

結城圭介の超入門「Access VBAデータベース構築講座(Access2000~2007対応)」(技術評論社)を読んだのは、4000人規模のデータベースを再構築してくれと言う依頼が来たからだ。500人規模のデータベースをEXCELで作成し運営した実績があるし、今後利用し変更していく人のことを考えると、EXCELで作成した方が便利であろうと、リンク張り捲りのEXCELデータベースを一旦作成した。
しかし、実験してみると、誤動作(スピードが追いつかないことから来る誤読が原因)が頻繁に起こるので、遂にあきらめて、Accessで作ることにした。上記の本を読みながら、また前のプログラムを読解しながらすすめると、比較的容易に完成し誤動作もなかったので納品することができた。実際使ってみてどうかは今後の問題だが、メンテナンスはしていくつもりだ。

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68.「Die Maschinen Leonardo da Vincis」を見て

2009年夏のイタリア旅行の際、購入したイタリア語版の「マシーン レオナルド・ダ・ビンチ」は、イタリア語なので意味が分からないが、ダビンチの描いたスケッチや実物の写真などが掲載されているので、眺めているだけでも面白い。「投石機」や羽の研究など詳細にスケッチがされている。
この本のせいではないが、ミラノで特別展示されていた最近発見されたと言う「696」「909V」「1099」の3枚のスケッチのコピーを購入してしまった。衝動買いではあるが安かったので買ったのだが、どこに飾ろうか思案中である。

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67.「ウフィッツィ美術館」を読んで

2009年夏のイタリア旅行の際、フィレンツェ美術館で購入した日本語版の公認ガイドの「ウフィッツィ美術館」は、メディチ家が収集した美術の全作品を収録しているもので、今でもボッティチェッリの「ヴィーナス誕生」や「春」(女神フローラ)などが思い出せるのは、この本のおかげである。

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66.「ヴァチカン」を読んで

2009年夏のイタリア旅行の際、ローマのヴァチカン美術館で購入した日本語版の公認ガイド「ヴァチカン」(ATSイタリア出版)は、写真の撮れなかったミケランジェロの「最後の審判」(システィーナ礼拝堂壁面)の細部にわたる写真が掲載されている。他に、見学コースの都合で見れなかった「ラファエロの間」なども詳細に見ることができる。
また、絵画の「オスティアの戦い」の意味が、今読んでいる塩野七生さんの著「ローマ亡き後の地中海世界」によって理解できるという後日談も得ることができた。

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65.「中世『武蔵』人物列伝」を読んで

埼玉県立歴史資料館編「中世武蔵人物列伝」(さいたま出版会)は、関東各地を旅した折、城跡や立派な屋敷や有名な名前や不思議な名前や地名などに興味をそそられた私が、前から探していた本である。
鎌倉時代から始まって、江戸時代が始まる前までの関東で活躍した武士達の動向がよく分かる本である。

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64.「銅剣358本はどこでつくられたのか」を読んで

荒神谷遺跡の謎ブックレット3「銅剣358本はどこでつくられたのか」(島根県斐川町発行)は、荒神谷遺跡にある資料館を訪れた際に購入した本だ。
古代史に興味あるいろいろな人々(素人も含めて)が、自分の意見を論文の形にして懸賞に応募したものであるが、それぞれ面白く拝聴できた。

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63.「幕末 維新の暗号」を読んで

加治将一の「幕末 維新の暗号」(祥伝社)を読んだ。表紙に飾られた群像写真の謎解きから始まるこの本は、以前読んだ「あやつられた龍馬」と同様の面白さがありすっかりはまってしまった。
真ん中の少年の謎も興味深い。しかし、当時の有名人が一堂に会するのはあまりにも不自然であるので真実は謎のままである。

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62.「ウェブ時代をゆく」を読んで

下の本を読んだ直ぐ後に、本屋さんで「ちくま新書」出版の梅田望夫(もちお)さんの本を見つけた。この本の中で、インターネットを活用する善意の集団の作業を「群衆の叡智(えいち)」と呼んでいるのに心ひかれて、あちらこちらで利用させてもらっている。
インターネットの悪用から「管理・制限」が聲高になってきている現在、インターネットの正しい発展のために、この「群衆の叡智」をもう少し主張していきたいと思った。
そして、「グーグル」社が行っている行為も正しく理解できたと思う。グーグルと「もうひとつの地球」は心惹かれるテーマである。「ロールモデル思考法」や「高速道路とけものみち」も面白い喩えである。
ビル・ゲイツの後半生にも驚いている。富を得た人は社会に還元する精神があってこそ尊敬されるものだ。

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61.「小さな会社のWebサイト 制作・運用ガイド」を読んで

翔泳社から出版された佐藤 和明さんの本である。学校のホームページの再構成に、会社で制作しているホームページの精神を学ぼうと思って買ったのだが、退職間近な私としては第2の職業を「ホームページ制作会社」を起業してみようかという気もあって読み始めたのだ。しかし、現実は厳しいものである。まず、ホームページそのものを「営業マン」として位置付けて、仕事をさせられるかというと大いに疑問である。そして、Web戦略を基礎に会社のコンセプトをまとめる作業は、学校のホームページ制作に関わってきて、これ一つとっても大変なことは身に染みている。勝手に気楽に作っていたのとは違ってくるだろう。そしてまたWeb2.0としてのノウハウも必要になってくる。先日からやっているASP.NET学習も挫折しかけているので、道のりは遠いだろう。しかし、これを読んでWebサイトの運営が分かった気がしている。

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60.「持丸長者 国家狂乱篇」を読んで

ダイヤモンド社から出版された広瀬 隆(ひろせ たかし)さんの上中下三巻のうちの第二話にあたる本である。明治時代から大正時代、そして昭和時代の偽満州国建設への経過を長者などの人物に焦点を当てながら非常に丁寧に記述してあり、前回読んだ「観光コースでない 満州」に出てくる人物の出自が分かった。まさに日本の侵略戦争としか言いようのない悪事である。そしてそれを後世の我々に隠してきている政府の悪質さを実感した。「近衛文麿」首相は自殺したのであまり伝えられてこなかったが、「東條英機」以上の悪人であることが理解できた。歴史は正しく知ることの大切さを感じている。また、「小林多喜二」だけでなく戦争を遂行していくときの政府に反対し抗議してる「桐生悠々」というジャーナリストの名前も印象に残った。第三話の出版を心待ちにしている。第三話は戦後史なので、まだ生存している人やたくさんの子孫がいるので、どこまで書けるのか心配である。場合によっては権力によって撲殺されるのではないだろうか。個人的には、以前読んだ「下山事件」に登場してきた人物の去来を知りたいと思っている。

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59.「観光コースでない 満州」を読んで

高文研から出版された小林慶二さんの本「観光コースでない 満州」を面白く読んだ。そして、いろいろ考えさせられたが、福井理文さんの撮影した写真を見て、近くて遠い国だった中国東北部(偽満として存在した満州国)を見てみたい気がつのってきた。地図を片手に本を読み進めていった。観光案内とは違う裏の歴史も書いてあるこの本は、私の現在の読書傾向に合致する本で大変勉強になった。遼寧省の瀋陽(奉天)、吉林省の長春(新京)、黒龍江省のハルビン、遼東半島の大連・旅順の名前は何となく知っていたが、この本ではっきりと満州鉄道と関東軍の果たした悪事や歴史や建造物が分かった気がする。しかし、戦後に生まれた私には本当の意味で分かっていないのかも知れないが、訪ねていきたい気持ちが起こっている。

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58.「持丸長者 幕末・維新篇」を読んで

ダイヤモンド社から出版された広瀬 隆(ひろせ たかし)さんの上中下三巻のうちの第一話にあたる幕末から明治維新にかけて富を作った長者(伝統的な呉服商から明治維新で私腹を肥やした政界人まで)の栄枯盛衰を丁寧な調査の元に書かれてあった。岩崎弥太郎の三菱商会や甲斐商人や近江商人の話など面白い裏話がたくさん載っている。昔から知りたかった財閥の系譜がよく分かった。まさに日本を動かす影の怪物という副題にあった内容である。ここまで書いて良いのかと言うほど批判的な人物評価もある。特に吉田松陰に対する印象が変わってしまった。このあとの第二話の「持丸長者 国家狂乱篇」も購入しているので、さっそく読み始めている。

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57.「YouTubeはなぜ成功したのか」を読んで

東洋経済新報社から出版された室田 泰弘さんの本「YouTubeはなぜ成功したのか」を知人から紹介されて読んでみた。比較的大きな字で印刷されていたことと、イラストも多用されていたので2日間で読んでしまった。アメリカでブームを起こしているけど、日本ではタブー視されている自作ビデオホームページ「YouTube(ユーチューブ)」の成り立ちと何が技術的に新しいか、さらにこれがもたらす革命的な意義とは何かなどわかりやすく解説してある。なにより、サイトの紹介だけでなく、その社会的な意義とそれを阻止しようとする既存の既得権社会とのたたかいが分かりやすく書いてある。職場で見ようとしたが、「有害サイト扱い」がされており、既得権社会の圧力を感じざるを得ない。そう言う私も、この本を読むまでは、Hビデオサイトのような感覚でいたので無理はないが、この本を読んで、その革命的な技術が今後のマスメディアの主流になるという説に同感した。さっそく、FLASHの映像技術の本を買ってきて勉強を始めた。自分が運営しているホームページにその技術を生かしてみようと思ったからだ。

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56.「あやつられた龍馬」を読んで

またまた祥伝社から加治 将一さんの本「あやつられた龍馬(明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン)」が本屋の陳列棚から、私の目に飛び込んできた。最近公にされてきた書類を元にしたノンフィクション作品は、言い伝えられてきたことと異なる真相(?)を紹介してくれるので大変面白い。脳梗塞を2回起こして厭世気味の父親(83歳、高知県出身)に話して聞かせたところ、急に脳が活性化されたらしく元気になったのには驚いた。坂本龍馬の行動の不思議さが解明されたことと、なぜ暗殺されなければいけなかったのかが分かったからだろう。新潮社「石の扉」(加治将一著)も読んでみたいものである。

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55.「下山事件 最後の証言」を読んで

祥伝社から出版された柴田哲孝さんの本で、昭和24年(1949年)7月5日から6日の未明に起こった「下山事件」の真相が解明されたように思える最後の本のような気がする。過去に出版された矢田喜美雄著「謀殺 下山事件」や斉藤茂男著「夢追い人よ」や松本清張著「日本の黒い霧」などが追求してきたこの事件の裏面史が、事件の裏側に存在した組織の一員の孫としての著者が、聞いたり調べたりしてまとめ上げたこのノンフィクション作品は、驚きの目をして一気に読み終えることが出来た。読み終えてまだ余韻がさめやらない。戦後史を学ばなくなった若者には理解できない現実が頻繁に出てくる。この本を読み理解できる世代は60年安保前後に青春を送った我々でお終いなのであろうか。また、これらの時代が現在にも続いているのだろうか気がかりである。

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54.「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」を読んで

ダイヤモンド社から出版された林 總(はやし あつむ)さんの本で、アパレル会社「ハンナ」の社長・矢吹由紀を主人公に、素人が会社を建て直すまでの過程を「管理会計」の説明を中心に展開していくというビジネスストーリーである。しかし、バランスシートの見方やCVP図表(限界利益÷売上高が直角三角形で、固定費が長方形が微分積分に見えてきたのは私だけだろうか?)そして、またしても「PDCAサイクル」と「経営ビジョン」と「現場力」のキーワードに反応してしまった。特に「経営ビジョン」づくりは、NLP法で絞っていく中で見つけ出せる気がする。

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53.「偽書『東日流外三郡誌』事件」を読んで

新人物往来社から出版された東奥日報社記者の斉藤光政さんの本で、長年魅了され続けた東日流(つがる)の古代史が、偽書であったことがはっきり分かった。いろいろな本にチラリと神秘的に書かれていたがゆえに神秘さを増した内容の全貌が時系列で「何故嘘なのか」を正確に解明してくれたので、つくづく真実の大切さを実感させられた本であった。一気に読んだが、大変面白かった。私の好きな安藤昌益の世界にも、この偽書が忍び込んでいたとは、昨年大館で見た安藤昌益のお墓の寂れ方を思い出しながら悲しくなった。もう一度東北の歴史を見直してみたいものである。

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52.「古事記・日本書紀」を読んで

三一書房から出版された梅沢伊勢三さんの本で、36年前に購入したものだが、定年を間近に控えて日本の古代史に興味が沸いてきており、それならばこの本を読まねばと思い遂に読了した。読んでみると、ずいぶんと昔から古事記のもつ創作性と日本書紀のもつ特長の違いが研究されていたのだと感心してしまった。現代の歴史家が言っている大和朝廷の姿の捉え方の源流を垣間見た気がする。

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51.「すっきりわかった!レイヤ3スイッチ」を読んで

ASCII社から出版されたマニュアル本である。最近のLANのキーポイントに位置するレイヤ3スイッチの仕組みを知りたくて購入し、職場でのその働きを想像しながら読んでいった。完璧に理解したとは言えないが、おおよその雰囲気がつかめたので、いつか中古品のレイヤ3スイッチを購入してきて、我が家で実験してみたいと思っている。これからのネットワーク管理者にとってこのシステムの理解は不可欠になると思う。

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